大船鉾

大船鉾の車輪(たま)は、これまで菊水鉾から譲り受けたものを使用してきましたが、老巧化のため、2024年(令和6年)に新調。大船鉾保存会から依頼を受けていた岐阜県高山市の宮大工・八野大工が3年がかりで製作。直径約2.1m、重さ約700kgで、祇園祭山鉾の車輪で最大級とのこと。7月20日(土)、飛騨匠の技が詰まった新しい車輪をつけて、曳き初めが行われました。2024年は車輪に塗装はせず、白木での巡行。

幕末まで「後の祭り」の殿（しんがり）を務めていたが、元治元年（1864年）の蛤御門の変によって舟形の木組みや車輪などの構造部分を消失。以来、御神体と懸装品を鉾町内で披露する居祭（いまつり）を守り続けてきた。2012年は唐櫃の巡行が復活、2014年は巡行に復帰が決定。先の祭りの船鉾が神功皇后の出陣を表すのに対し、後の祭りの大船鉾は戦に勝った凱旋を表した。

江戸時代末期に失われた「龍頭（りゅうとう）」が復元され、2016年はそれを舳先に載せて巡行した。東山区の瀧尾神社拝殿の龍をモデルに制作され、同神社から寄進された。来年以降は、「大金幣」と「龍頭」が隔年で取り付けられて巡行することになる。

2012年と2013年は唐櫃で山鉾巡行に加わった（写真）。2014年、150年ぶりに本格復帰。併せて、山鉾巡行も本来の前祭、後祭の2回行われる姿に復した。

内部はヒノキの白木から始まって、年ごとに少しずつ塗られていくそう。まずは天井から。毎年拝観して変化を楽しむのも良いですね。

御朱印を書いて頂くためのこの小さな墨は1万円以上するのだそう。書き手の方の矜持が伺えますね。

曳初めは20日の14時からです。

142年ぶりに2012年の巡行に参加。神功皇后の説話による凱旋の船鉾。

初めて鉾に登らせてもろた